2012年 05月 26日

兄弟の多い私ですが、その兄弟との永久の別れは辛いものです。
さる22日3番目の兄が他界して、その弔いのために、奈良県中央部にある、橿原市まで行ってきました。
その地方のしきたりに合わせた葬儀は私の知識とは異なるところが多々あり戸惑いの連続でした。
私の実家は群馬県の西部、そこから奈良県の兄の家までは電車を3~4回乗り継いで、距離は700km近くになる。
実家近くに住む姉は、朝いちばんに家を出て、兄の家にたどり着いたのは12時間後の午後5時過ぎだった。
葬儀の日、それぞれの儀式は順調に進んでいた。これなら姉は最終の電車で帰れるかなと思っていたが、納骨のために墓地について、待っていたが、お坊さんがなかなか来ない。
これでは間に合わなくなりそうだと不安がよぎった。
ようやく納骨も済ませて、式場に戻り、繰り上げの初七日法要。
それも終わって・・・・だが、時間がやばい!!。
急いで京都行きの電車に飛び乗った。
群馬の最終電車から逆算すると、・・・・あぁ・・ダメだ。
「よし、それじゃ京都に泊まっちゃえ」。ということで、今度は宿探しだ。兄弟義兄弟も交えて6名の宿だ。
あまり詳しくない京都駅で、京都タワーと反対側の一階出口近くに、ようやく案内所らしいところに飛び込んで・・・
「あのー、今夜の宿を探しているんですけど」
「ここは鉄道の案内所なのでホテルの案内はしていないのです」とつれない返事。
そんなことをしている間に、他の4人の姿が見えなくなってしまった。
一緒にいた姉は
「私が探してくるから、よっちゃんはここらへんにいて」と言い残してすたこらと探しに行ってしまった。
私は言われるとおり、鉄道案内所の向かい側で待っていた。
80歳にしては元気な姉だ。
・・・・・・・・◎・・・・
そのとき私が立っている後ろで声がした。
「湯葉の見本です、召し上がってみてください」
振り返ってみると若い女性が、小さな器に湯葉の見本を少し入れたものをお盆に乗せて立っていた。
湯葉どころではない気分だったが、一つもらって食べてみた。

お昼から何も食べていなかったこともあっておいしかったが・・
「うん、とてもおいしいけど、今はこれを買っている余裕がないんだよ。今夜泊まる宿を探しているんだけど、どこかに観光案内所みたいなところないかしら」
藁をも掴む気持ちでつい口にした。
すると彼女はすぐ店の中に入ってチーフらしい別の女性にそのことを話してくれた。
するとそのチーフらしい女性は、店から出てきて事情を聴いてくれた。
「この近くで6人泊まれるホテルを探しているんですけど・・・」
すると彼女は店の中に入って、携帯片手に、電話をかけてくれた、ダイヤルする指を私は店の外から見ていた。
店から出てきた彼女は駅の前(裏かも)の建物を指さして、
「今、あそことこことあのホテルに聞いてみたのですけどどこも満員なんです。もうちょっと待ってください、もう少し探してみますから・・」
と言ってまた狭い店の中に入って、電話帳をめくってはダイヤルしていた。
7~8件も電話をかけてくれたがみんな断られたようだった。
そこへ、この店の関係者らしい男性がやって来た。彼女はその男性にわけを話してくれた。するとその男性も・・
「それじゃお困りでしょう、私も心当たりを探してみましょう」といって、電話をかけ始めた。
だがやっぱり駄目だったようだ。
そんなところへ、別の男性が店に来た。後から聞いたらこの人はこの店の本社のお得意さんだったようだ。
女性はこの人にも事情を話してくれた。
するとその男性は
「それやったら、一つ知ってるところがあるから、聞いてみてやる」と言って電話をかけてくれた。
電話の様子を聞いていると、どうやら脈がありそうだった。
そのうち
「うん、うん、そやね、6人ですねん・・・ちょっとまってや」
私に
「阪急嵐山の駅の真ん前やけどよろしいか?」と聞く
「嵐山だったら、願ったり叶ったりです。ありそうですか?」
「うんあるで、去年秋に新築開業したホテルや。ほな、予約しておくから、名前聞かしてんか」
「わぁ、助かります。◎◎といいます」
男性は宿の名前と、電話番号をメモしてくれた。
「タクシーに乗って、このメモ見せたら、連れてってくれるやろ」
地獄に仏とはこのことか。
店の商品を買ってくれるかどうかも分からない通りがかりの人に、ここまで親身になって親切にしてくれる。
京都はなんといい町だ。とりあえず、今夜食べようと少しだけ湯葉を買った。
安堵と感激が入り混じった私はどんなお礼の言い方をしたか覚えていないほどだった。
「明日帰りがけに、必ずこちらのお店でお土産を買わせていただきますから」と言って急いでタクシーに乗り込んだ。

・・・◎・・・
紹介していただいた宿が、
阪急嵐山駅のまん前、新築で室内は廊下からエレベーターのなかまで畳貼り。私にとっては高級旅館だ。
風呂は綺麗、部屋は綺麗、ハードは満点、従業員の愛想もよくサービスも満点。お値段は・・・・・
・・・・朝食つきで10150円・・・これも満点!!。
もう泣きたくなってしまう。
ついさっきまで、あんなに困っていたのに、どうしていまはこんなに嬉しく満足で幸せなんだろうと考えると、不思議な気分さえしたのだった。
それもみんなあの湯葉のお店の人たちのお陰だ。

いま考えても胸が熱くなってくる。
翌日帰りがけにそのお店に寄って、お礼を申し上げ、お土産に湯葉を買わせていただいた。
こんなことでご恩が返せたとは思っていない。
この日は、昨日電話でホテルを探してくださった女性は不在だったが、他の従業員の方に尋ねると、この女性はこのお店の女将だとのことだった。
この時のことを思い出すと、今でもティッシュペーパーに手が伸びる。
ゆば庄の皆様、そして嵐山の宿を紹介してくださった方、あの時は安堵と嬉しさのあまりお名前さえもお聞きせずに、タクシーに飛び乗ってしまい失礼いたしました、その節はご親切に本当に有難うございました。
ここに改めて御礼申し上げます。
お断り・・・
私にとってはとても有り難く嬉しいことなので、事実をそのままを表現したいと考え、感謝の気持ちもこめて、このお店のお名前を公表させていただきました。 yo-shi2005

翌日記事追加




























































