2010年 05月 01日
熊野の長藤
雨が多かったので、藤の花がよく伸びたのではないかと期待して、観に行ってきた。
静岡市から西へ70km、天竜川を越えれば浜松市というところ、元は磐田郡豊田町=現在は磐田市の西のはずれの天竜川左岸近くの、行興寺に国指定の天然記念物 「熊野の長藤(ゆやのながふじ)がある。
気温が低い日が多かったためか房の長さはイマイチだった。
日陰の部分
樹齢数百年の藤の樹(天然記念物=昭和7年指定)
オマケ
この藤の樹にはこんな物語がある
平安の頃、池田の宿(古代から中世にかけてこのあたりを池田宿といった)に、花のように美しく優しい熊野(ゆや)という娘がおりました。
見付の国府に赴任していた平宗盛に見初められた熊野は、やがて都へ上って行きました。
宗盛と幸せな日々を送っていた熊野のもとに、ある日、母の病の報せが届きます。
池田へ帰りたいという熊野の願いを、しかし宗盛は愛するあまり放しがたく、聞き入れてくれません。
春になり、桜見物の席で、熊野は、
いかにせん 都の春も 惜しけれど
なれしあずまの 花やちるらん 熊野
(訳=都も離れがたいが、故郷で命を散らそうとしている母が心配です)
と詠み、その心に打たれた宗盛はついに別れを決心するのでした。
母娘は、再会を喜びましたが、母の命は長くありませんでした。まもなく愛する宗盛の戦死と平家滅亡を聞いた熊野は、尼となりこの地で静かに生涯を終えました。
熊野が祈りを捧げた庵のあとの行興寺の庭には今も母のために熊野が植えた藤が、毎年長い花房をつけています。これが熊野の長藤です。
(豊田町発行「熊野御前」参考)
境内には藤の巨木が6本ある。
静岡市から西へ70km、天竜川を越えれば浜松市というところ、元は磐田郡豊田町=現在は磐田市の西のはずれの天竜川左岸近くの、行興寺に国指定の天然記念物 「熊野の長藤(ゆやのながふじ)がある。
気温が低い日が多かったためか房の長さはイマイチだった。
日陰の部分
樹齢数百年の藤の樹(天然記念物=昭和7年指定)
オマケ
この藤の樹にはこんな物語がある
平安の頃、池田の宿(古代から中世にかけてこのあたりを池田宿といった)に、花のように美しく優しい熊野(ゆや)という娘がおりました。
見付の国府に赴任していた平宗盛に見初められた熊野は、やがて都へ上って行きました。
宗盛と幸せな日々を送っていた熊野のもとに、ある日、母の病の報せが届きます。
池田へ帰りたいという熊野の願いを、しかし宗盛は愛するあまり放しがたく、聞き入れてくれません。
春になり、桜見物の席で、熊野は、
いかにせん 都の春も 惜しけれど
なれしあずまの 花やちるらん 熊野
(訳=都も離れがたいが、故郷で命を散らそうとしている母が心配です)
と詠み、その心に打たれた宗盛はついに別れを決心するのでした。
母娘は、再会を喜びましたが、母の命は長くありませんでした。まもなく愛する宗盛の戦死と平家滅亡を聞いた熊野は、尼となりこの地で静かに生涯を終えました。
熊野が祈りを捧げた庵のあとの行興寺の庭には今も母のために熊野が植えた藤が、毎年長い花房をつけています。これが熊野の長藤です。
(豊田町発行「熊野御前」参考)
境内には藤の巨木が6本ある。
by yo-shi2005
| 2010-05-01 21:26
| 花日記
|
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Comments(9)
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mogitori
at 2010-05-01 22:21
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ふじの紫色って素敵ですよねぇ~まさに日本人が好む淡い紫色。
日本人にとって紫色は特別な色だと思います。僧侶の方が紫色の
袈裟をまとうと、とても凛々しく感じます。
日本人にとって紫色は特別な色だと思います。僧侶の方が紫色の
袈裟をまとうと、とても凛々しく感じます。
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今晩は。
懐かしいです。
静岡市に住んでいた独身時代、友達と幾度か見に行きました。
それにしても太い幹ですね。
山里の我が家でも、やっとの花が咲きだしました。
例年なら、富士宮にある下の房の藤がちょうど見ごろのはずです。
行って見ようかな・・。
懐かしいです。
静岡市に住んでいた独身時代、友達と幾度か見に行きました。
それにしても太い幹ですね。
山里の我が家でも、やっとの花が咲きだしました。
例年なら、富士宮にある下の房の藤がちょうど見ごろのはずです。
行って見ようかな・・。
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yuriazami at 2010-05-02 08:39
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yo-shi2005 at 2010-05-02 13:18
mogitori さま
コメント有難うございます。
昔から紫色というのは高貴な色とされていたようですが。この藤の花の薄紫色は別のやさしさと上品さがあって心が豊かになるようなきぶんになるのは私だけでしょうか。
コメント有難うございます。
昔から紫色というのは高貴な色とされていたようですが。この藤の花の薄紫色は別のやさしさと上品さがあって心が豊かになるようなきぶんになるのは私だけでしょうか。
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yo-shi2005 at 2010-05-02 13:23
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yo-shi2005 at 2010-05-02 13:26
yuriazami さま
コメント有難うございます。
前になんどき亜いったことがあるのですが、昔のほうが藤の花の房が長かったような気がします。これを管理するのも大変なのでしょうね。
熊野は歌人としても知られているようです。
コメント有難うございます。
前になんどき亜いったことがあるのですが、昔のほうが藤の花の房が長かったような気がします。これを管理するのも大変なのでしょうね。
熊野は歌人としても知られているようです。
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mu
at 2010-05-02 18:50
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熊野を「ゆや」と読むんですね。
「熊野の長藤」花房が長くて 立派ですね(^o^)
まつわる物語も 今のように行き来できない昔では…
つらいお話です(/_;)
↑ ナチュラルライフさまの お祝いの歌 素敵ですね。
きっとお喜びになられたことと 思います(*^_^*)
次回は 直筆で書かれてはいかがですか(^0_0^)
「熊野の長藤」花房が長くて 立派ですね(^o^)
まつわる物語も 今のように行き来できない昔では…
つらいお話です(/_;)
↑ ナチュラルライフさまの お祝いの歌 素敵ですね。
きっとお喜びになられたことと 思います(*^_^*)
次回は 直筆で書かれてはいかがですか(^0_0^)
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timata-sn at 2010-05-02 21:06
yo-shi2005さん こんばんは
今日は朝から晴天で穏やかなお天気でしたよ。
熊野とゆやと読むんですね。
長藤が見事ですね、奇麗な色をして居て素晴らしいですね!!
樹齢が数百年とは凄いですね!!
凄い生命力に感心しますよ!!
永年にわたりこの様に咲いて皆を楽しませてくれているんですよね。
今日は朝から晴天で穏やかなお天気でしたよ。
熊野とゆやと読むんですね。
長藤が見事ですね、奇麗な色をして居て素晴らしいですね!!
樹齢が数百年とは凄いですね!!
凄い生命力に感心しますよ!!
永年にわたりこの様に咲いて皆を楽しませてくれているんですよね。
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yo-shi2005
at 2010-05-03 04:19
x
timata-sn さま
コメント有難うございます。
ここへは何度かいきましたが、今回はなんだか花の房が短いような気がしました。気候のせいでしょうかねぇ。
今、4時20分、今からツアー旅行に出かけます。
コメント有難うございます。
ここへは何度かいきましたが、今回はなんだか花の房が短いような気がしました。気候のせいでしょうかねぇ。
今、4時20分、今からツアー旅行に出かけます。