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2006年 01月 05日

小豆

  ひところは、小豆といえば「赤いダイヤ」などといわれて、商品相場の花形になったこともあったが、それも今ではそれほど騒がれなくなった。
        
  正月十五日には小豆粥を食べてその年の邪気を払うという風習が一般的だが、我がふるさとでは七草粥に小豆が入っていたように記憶する。しかし、これは数十年前の記憶だから定かではない。

  小豆はカロリーが高く、新田次郎の山岳小説「芙蓉の人」のなかで、明治中ごろのこと、先年使用が終了した富士山頂の気象観測所の設置に尽力した、野中至・千代子夫妻が真冬の富士山頂で高山病と戦いながら、小豆粥で辛うじて体力を維持したと書いてある。
夫妻は富士山頂の気象観測のために木造の小屋で越冬観測を始めたが、二人とも高山病が元で体調を崩し、栄養価の高い食物が食べられなくなってしまい、小豆粥だけで命がけで観測を続けた。だが体力も限界、小豆も米も底をついたときに、下界からの救助隊に助けられた。
これは余談だが私はこの小説のこの部分が好きで、このくだりは何度読んでもジーンと来る。不思議な現象だ。

  昔我がふるさとでは、田植えの終わった田んぼの淵に小豆を蒔いた。「たのくろあずき」といった。水田の水が染み出さないように田んぼの淵には泥の壁を塗る。その泥の壁に杖のような棒で穴をあけ小豆粒を2~3こ入れて、その上に周囲の草を一掴み刈り取って載せておく、すると芽が出て大きくなり、米が稔るころに小豆も収穫できる。今はそんな話しはあまり聞かない。

  今市場に出ている国産小豆は殆どが北海道産で、80%以上を占める。残りの20%弱は東北地方で収穫したものだ。

  “小豆のことを書いたら、牡丹餅が食いたくなった。おはぎでもどっちでもいい”。
by yo-shi2005 | 2006-01-05 20:58 | Trackback | Comments(0)
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